国立滋賀医科大学（2018）

＊一般前期には研究医養成枠２名、地域枠８名を含む。推薦入試のうち10名以内は滋賀県内の高校、３名以内は滋賀県外の高校で本人または保護者が滋賀県内に居住している者。研究医枠は基礎医学研究者を目指す者が対象、地域枠は県内の病院に勤務する意志のある者が対象で、いずれも入学後に選抜する。＊編入学は地域枠５名を含む。

＊面接は将来医師または研究者となるにふさわしい資質・適性を人間性の観点から評価する。

①推薦条件＝将来の医師または医学研究者にふさわしい優れた能力・人格を有し、志望の動機が明確であり、積極性に富み、スポーツ・分野活動やボランティア活動を通して充実した高校生活を送り、物理、化学、生物(理数科は理数物理、理数化学。理数生物)のうち２科目以上履修した成績概評Ａ段階の現役。②選考方法＝書類審査・センター試験(５教科７科目)の成績・小論文・面接によって選考する。<センター試験>　◇国語＝国。◇地歴・公民＝世Ｂ、日Ｂ、地理Ｂ、倫政経から１科目選択。◇数学＝数Ⅰ・数Ａ、数Ⅱ・数Ｂの計２科目。◇理科＝物、化、生から２科目選択。◇外国語＝英(リスニングを含む)。小論文は資料に基づいて論述させ、理解力、思考力及び表現力を評価。面接はグループ面接により、将来医師または研究者となるにふさわしい資質・適性を人間性の観点から評価する。

大学を卒業した者(見込みを含む)。書類審査・学力検査(英語・生命科学系総合問題)の合格者(募集人員の約３倍)に２次試験として小論文・面接を課す。総合問題は大学教養教育修了程度の生命科学(生物学、生命現象に関連した物理学及び化学)を出題。小論文Ⅰは論理的思考力や問題解決能力を評価するため自然科学の資料を提示し、それに関するテーマについて論述、小論文Ⅱは医学医療の社会的役割について論述させる。面接は医師として必要とする基本的なコミュニケーション能力、協調性、リーダーシップ、批判能力、自己表現力を評価する。

＊２段階選抜は第１段階不合格者数を示す。

【合格者の成績】

＊カッコ内は2016年度。
＊入学者の現浪別内訳　現役39人、浪人61人。
＊入学者の男女別内訳　男子60人、女子40人。
＊入学者の出身地別内訳　大阪28人、滋賀・京都各20人、兵庫７人、奈良５人、東京４人、和歌山３人、埼玉・千葉・福井・長野・岐阜・愛知・三重・広島・愛媛・福岡・佐賀・長崎・沖縄各１人。

【志願者数の推移】

推薦入試で課す。資料に基づいて論述させ、理解力、思考力及び表現力を評価する。

一般入試・推薦入試とも実施する。グループ面接で、将来、医師または研究者となるにふさわしい資質・適性を人間性の観点から評価する。結果は段階評価で、評価が最低の場合は総合点の如何にかかわらず不合格とされる。

開学以来、地域に支えられ、地域に貢献し、世界に挑戦する大学として、優れた医療人の育成、卓越した医学研究、質の高い全人的医療を実践してきた。研究活動としては神経難病研究、サルを用いたiPS 細胞研究、非感染性疾患に関する国際疫学研究などの特色ある研究を推進し、高い評価を得ている。豊かな教養と高い専門的知識及び技能を授けるとともに、確固たる倫理観を備え、科学的探究心を有する医療人及び研究者を養成するというのが教育理念。

教育目標として、①課題探求、問題解決型学習を通して、適切な判断力と考察する能力を養う、②豊かな教養を身につけ、医療人としての高い倫理観を養う、③コミュニケーシィン能力を持ち、チーム医療を実践する協調性を培う、④参加型臨床(臨地)実習を通して、基本的な臨床能力を修得する、⑤国際交流に参加しうる幅広い視野と能力を身につける、の５点を掲げている。

また、臨床研究開発センターを中心に、信頼される質の高い臨床研究を進めて、新しい時代の医学・医療の開発を先導。附属病院では、スタッフが総力を挙げて高度先進医療を提供するとともに、関連病院の協力のもと、総合医・家庭医やがん専門医などの育成にも力を入れている。ユニークなのは地域里親による支援制度で、同窓生や地域住民が里親やプチ里親となって、地域医療を志す学生をさまざまな形でサポートしている。

医学科では「アウトカム基盤型教育」を行っている。これは、卒業時までに身につけておくべき知識・、技能・態度に関する能力(アウトカム)を７つの大項目(倫理とプロフェッショナリズム、医学知識と問題対応能力、診療の実践と医療の質向上、コミュニケーションとチーム医療、生涯にわたって自律的に学ぶ姿勢、地域医療への貢献、科学的探究心と国際的視野)として具体的に定め、６年間の教育課程を通じてこれらの能力を身につけることを目標としている。また、医師や医学研究者に求められる高い倫理観を涵養すべくプロフェッショナル教育を各学年で段階的に行っており、さらに医学・医療の発展のための医学研究の重要性を理解しリサーチマインドを養うために、学生自らが研究を行う授業科目を開講している。

　１年次では、医療や福祉の実践活動に触れ、医療人として相応しい人間性、倫理観や能動的学習態度を身につけることを目指している。また、各研究分野の第一人者による講義で研究の面白さに触れるとともに、興味を持った者はすぐに研究を開始できる機会を提供する講義も開講している。２年次では、地域で展開されている医療・保険・福祉の現場を体験することにより、地域医療の実際を学び、医療人の職責について自覚するとともに、基礎医学の各分野について講義・実習を通して広く学ぶ。また、倫理学を通じて、生命倫理に関する諸問題について深く考える機会としている。３年次から４年次で学ぶ臨床医学の各分野は臓器別にまとめ、基礎医学、社会医学、臨床医学の講座を横断した講義を行い、少人数グループで行う能動学習では、課題発見、解決能力やコミュニケーション能力を養成する。さらに医師に求められる疾病発症予防や健康増進に関わる職務・役割について学び、社会的・倫理的な課題についても深く考える機会とする。加えて、国内外の研究施設でも研究できる機会を設け、成果を論文や研究会で発表することも強く推奨している。４年次から６年次におけるクリニカル・クラークシップでは、診療チームの一員として、倫理観や疾病に関する知識、基本的な診療技術のみならず、患者に深い敬意と思いやりを持ち、また医療チームのスタッフと良好関係を築き実践していく能力を育成する。

＊ほかに諸会費が必要になる。

日本学生支援機構奨学金のほかに、地方公共団体や民間奨学団体の奨学金制度がある。