国立大阪大学（2018）

＊面接は人間性・創造性の豊かな医師及び医学研究者となるにふさわしい適性をみるために行い、一般的態度、思考の柔軟性、発言内容の論理性等を評価する。

①推薦条件＝科学に強い関心と学習意欲を持ち、自ら課題を設定し創造的に挑戦できる行動力を有し、豊かな人間性を持つ人、将来グローバルに活躍する強い希望を持ち、医学研究者を志向する人で、人物及び学業ともに優れた全体の評定平均値が4.3以上の現役・１浪。１高校から２名以内。②選考方法＝書類審査・センター試験(５教科７科目)の成績による１次選考の合格者(センター試験の成績が900点満点中概ね80％以上で成績上位20名まで)に小論文と面接を課す。<センター試験>　◇国語＝国。◇地歴・公民＝世Ｂ、日Ｂ、地理Ｂ、倫政経から１科目選択。◇数学＝数Ⅰ・数Ａ、数Ⅱ・数Ｂの計２科目。◇理科＝物、化、生から２科目選択。◇外国語＝英(リスニングを含む)、独、仏、中、韓から１科目選択。小論文は文章(英文を含む)読解論述型、資料分析型、テーマ型、理科論述型などを客観的評価ができるように組み合わせて出題する。面接は提出した書類(特に自己ＰＲ資料、志望理由書)に基づき個人面接を２回行う。面接の結果によって医師及び医学研究者になる適性に欠けると判断された場合は不合格とする。

大学を卒業した者(見込みを含む)または大学に２年以上在学し所定の単位を取得した者。学力検査(英語・論文読解・生命科学・数学・物理学・化学)の合格者に２次試験として小論文・面接を課す。

＊２段階選抜は第１段階不合格者数を示す。

【合格者の成績】

＊カッコ内は2016年度。
＊入学者の現浪別内訳　現役50人、浪人49人、その他１人。
＊入学者の男女別内訳　男子78人、女子22人。

【志願者数の推移】

一般入試は課さない。世界適塾入試は文章(英文を含む)読解論述型、資料分析型、テーマ型、理科論述型などを客観的評価ができるように組み合わせて出題。今春は、[1]ヒトの感覚器に関する英文が提示され、「中耳において振動を変換する仕組みが、外耳と内耳での特性の違いとどのように関係しているのか、150字以内で考えを述べよ」など４問に論述。[2]体内に侵入した微生物に関する英文が提示され、５問に論述。[3]動物の発生に関する英文が提示され、「発生の仕組みを明らかにする２種類の実験方法の特徴と、それぞれの実験方法に適した動物の特徴を説明せよ」など４問に論述。[4]保健医療2035提言書の抜粋が提示され、５問に論述させた。

一般入試は個人面接で、３人の面接官が人間性・創造性の豊かな医師及び医学研究者となるにふさわしい適性をみるために行い、一般的態度、思考の柔軟性、発言内容の論理性等を評価。世界適塾入試は提出した書類(特に自己ＰＲ資料、志望理由書)に基づき個人面接を２回行う。いずれも面接の結果によって医師及び医学研究者になる適性に欠けると判断された場合は不合格とされる。

昭和６年に大阪帝国大学医学部として創設されて以来、「創造性豊かな高度な倫理観に裏づけられた考える医師・医学研究者の養成」を基本理念に、広い視野と深い洞察力のある人材の養成を目指している。医学科には、経験豊かな臨床医、世界的な医学研究者も数多く活躍しており、基礎的な知識だけでなく、最先端の知識や技術を習得できる体制が整っている。また、先端の医療行為を実践できる病院も充実している。医学科では国立大学としては初めての｢医の倫理学｣という講座を設置。医師を育てる上で患者の心、医療の倫理について学ぶことは医学教育の最重要課題の一つである、と考える医学科の姿勢を的確に表わしている。大阪大学医学部から、｢遺伝子医療｣｢再生医療｣｢ロボット医療｣などの21世紀の医療を支えるスペシャリストが数多く誕生することが期待されている。

2015年度から国際的な評価に対応できるよう、新しいカリキュラムが開始された。１年次から２年次前期までは豊中キャンパスでの教養課程が中心となるが、同時に医学科のカリキュラムも開始される。１年次前期の医学序説では、世界的な研究者や臨床医から最先端の研究成果や臨床医学の進歩の講義を聴くことで、医学部に入学したことを実感できる。１年次後期から生命科学の基礎を学び、２年次前期では形態学、生理学、遺伝学などの基礎医学の講義や実習を履修する。２年次の秋からは吹田キャンパスに移り、本格的に医学科の講義や実習、ネイティブスピーカーによる医学英語が開始される。また、１年次・２年次では早期臨床体験実習を導入し、附属病院で臨床の現場を体験することで、将来医師となるための心構えを身につける。

　３年次の基礎医学講座配属も大阪大学が全国に先駆けて導入したシステムで、４か月間希望する基礎医学研究室に所属し、研究に専念する。３年次の後期から臨床医学の講義が開始される。国際的な視野を身につけることも大阪大学の教育目標の一つであり、海外での臨床実習を積極的に推進、サポートしている。2016年度は約40人の５年次生が海外留学に参加している。４年次から臨床医学の講義が開始され、５年次と６年次の２年間は臨床実習に専念する。附属病院と大阪・兵庫の基幹病院を実習の場とし，実際に患者に接することで，臨床医として必要な態度，知識，技術を修得する。また，５年次後半の２か月間は臨床研究も可能な研究期間が設けられている。このように，学生それぞれの志向に応じたさまざまなカリキュラムを提供している。最終的に研究職に就くにしても，臨床医を目指すにしても，医学科が重視しているのはリサーチマインド(研究する心)である。大阪大学医学部には，基礎医学はもとより，最先端の臨床医学，高度先進医療を修得できる体制が整っている。

＊ほかに諸会費が必要になる。

日本学生支援機構奨学金のほかに、地方公共団体や民間奨学団体の奨学金制度がある。