国立三重大学（2018）

＊推薦入試の内訳は一般枠10名、地域枠Ａ25名程度、地域枠Ｂ５名程度。

＊小論文は人間、健康、医療、生命科学、時事問題などに関わる課題を提示して論述させ、洞察力、論理構成力、表現力などを総合的に評価する。面接は志望理由、学習意欲、理解力、表現力、論理性などを評価し、医学、医療、科学、社会などに関する関心度を評価する。

①推薦条件＝三重県の地域医療に貢献する意志のある者で、一般枠は成績概評Ａ段階の現役・１浪。地域枠Ａは三重県内の高校または保護者が三重県に居住する成績概評Ａ段階の現役・１浪。地域枠Ｂは保護者が三重県内に居住しており、県内の対象となる市・町長と三重大学医学部が指定する病院院長が共同で行う面接を受け、対象となる市・町長の推薦を受けた成績概評Ａ段階の現役・１浪。②選考方法＝書類審査・センター試験(５教科７科目)の成績による１次選考の合格者(募集人員の２倍程度)に小論文・面接を課す。<センター試験>　◇国語＝国。◇地歴・公民＝世Ｂ、日Ｂ、地理Ｂ、現社、倫政経から１科目選択。◇数学＝数Ⅰ・数Ａ、数Ⅱ・数Ｂの計２科目。◇理科＝物、化、生から２科目選択。◇外国語＝英(リスニングを含む)、独、仏、中、韓から１科目選択。小論文は医学、医療、科学、社会などに対する関心度を評価し、理解度、考察力、記述力、論理性などを総合的に評価。面接は志望理由、学習意欲、理解力、表現力、論理性などを評価し、医学、医療、科学、社会などに関する関心度や三重県の医療に対する関心度を評価する。

＊２段階選抜は第１段階不合格者数を示す。

【合格者の成績】

＊カッコ内は2016年度。
＊入学者の男女別内訳　男子88人、女子37人。

【志願者数の推移】

一般入試(後期)・推薦入試で課す。今春の後期は、[1]Japan Timesの記事'The power of compliments' (ほめ言葉の力)の抜粋が提示され、設問に論述。[2]科学雑誌The Lansetの記事'2016 Nobel prize in medicine goes to Japanese scientist'(細胞の自食作用解明と医療への期待)の抜粋が提示され、設問に論述させた。

一般入試(前期・後期)・推薦入試とも実施する。面接官３名で、時間は10分。志望理由、学習意欲、理解力、表現力、論理性等を評価し、医学、医療、科学、社会等に対する関心度を評価している。

教育理念は「確固たる使命感と倫理観を持つ医師を養成し、豊かな創造力と研究能力を培い、人類の健康と福祉の向上に努め、地域及び国際社会に貢献する」こと。この理念に基づいて、特色のある国際化教育と地域医療教育が実践されている。教育目標は、①医師に要求される人間愛と倫理性及び幅広い教養を身につける、②医師として活動するために必要な態度、知識、技能を修得し、さらにその発展に強める、③問題解決能力を培い、創造的な医療と医学研究を行う、などを掲げている。国際化教育では、６年次の学生の約半数が参加する海外臨床実習、１年次～３年次を対象にした早期海外体験実習、海外の交流大学からの学生受入れによる学内環境の国際化、実践的専門英語教育、体系的国際保健医療授業など実施されている。また、地域医療教育では、三重県、市町村振興協会、地域の関係教育病院の協力を得て、６年間を通して地域で学べる体制が整備されている。

入学してから２年次前期までは、医学を学ぶための基本姿勢と基礎知識、医学英語を学ぶ。患者体験実習では医師や病院に望まれることを感じ、地域医療実習では、入学当初から継続的に地域や病院での医療に触れて、医の原点、医師としてのあり方について学び、医学英語では、医学の学習に必須のボキャブラリーと英語による医学的なコミュニケーションの基礎を学ぶ。３年次後期から４年次後期では、PBL(問題基盤型)チュートリアル教育が行われる。これは、学生自らが主体となって能動的に医学を学ぶ問題解決型のカリキュラムで、学生７～８人が１グループとなり、教員はチューターとして、学生個人や担当グループの学習を支援。実際の症例をもとにした学習課題を基盤として、基礎医学から臨床医学にわたる知識を連携づけて身につける。３年次後期から４年次前期では、研究室研修で研究を通して、医学への興味と理解を高める。各自が基礎系、臨床系の研究課題を持ち、教員の指導のもとに研究を行い、結果は英文または和文の論文に仕上げる。４年次では、医療面接(患者とのコミュニケーション・病歴聴取)、基本的身体診察、臨床推論、診療録記載に必要な技術、態度、思考力を習得する。５年次前期から６年次前期では、附属病院及び教育関係病院において１年半の臨床実習(クリニカル・クラークシップ方式)を行う。医療スタッフの一員として患者に接することによって生まれてくるモチベーションを背景に、さまざまな疾患を理解し、実際の治療方法を学んでいき、相当なレベルの医療行為や病棟業務を実施する。医師としての責任感を自覚し、患者の立場に立った医療を行うことが重要であり、病院スタッフの指導のもとに医療現場で医療技術を身につける。５年次では基本診療科でのクリニカル・クラークシップ、６年次では内科の専門領域と、海外の医療現場での体験を含む、各自が希望する臨床実習を行い、臨床能力を高める。

＊ほかに諸会費が必要になる。

日本学生支援機構奨学金のほかに、地方公共団体や民間奨学団体の奨学金制度がある。